平成30年仙台市議会

第4回定例会報告


計20件の議案審査

 平成30年第4回定例市議会は、12月6日から21日まで開かれ、一般会計補正予算など計20件の議案審査を行いました。

 一般会計の補正予算では、市立小中学校など186校へのエアコン設置費133億 7,800万円、小学校2校の危険ブロック塀撤去と代替フェンス設置費2,000万円、客引き防止のための周知・啓発費700万円等、計134億円余が計 上されました。また、自動車運送事業会計では市バスの燃料費高騰に対応するための増額補正8,200万円余も計上されました。


「客引き行為等の禁止条例」の制定

 条例関係では、「魅力と活力のある安全で快適な街の実現」に向けた、国分町・一番 町・中央通りなど規制区域内の客引き行為や従業員のスカウト等を全面的に禁止する条例が上程されました。また、市職員等の給与改定条例、議員・市長の選挙 に関連して選挙運動用ビラの作成に係る費用の公費負担に関する条例改正案も提案されました。

 また、(旧)田中工場(ごみ焼却場)の解体工事、大野田小学校の増築工事、荒浜地区避難の丘整備工事等にかかる工事請負契約締結に関する件、台原老人福祉センター等の指定管理者指定の件なども提案されました。

 更に、第3回定例会で提案前に一部会派から異論が出されて取り下げ、空白となっていた市人事委員会委員及び市監査委員の選任に関 する件は、全会一致で可決承認されました。


市立学校全校へのエアコン設置へ

 18年夏の異常な程の高気温の中で、学校教育環境の改善の視点からもエアコン設置 への要望は切実な課題でした。そうした中、市は国からの補助の見込みも立ったとして、市立幼小中学校・特別支援学校・市立高校へのエアコンを設置すること を決めました。その費用は総額で約138億6,000万円と多額になりますが、うち市の単独負担は約44億7,000万円の見込みです。残りの約93億 9,000万円は、国の臨時特例交付金や地方交付税措置などで支援される予定となっています(市立高校は国の補助対象外で市単独負担で新年度に予算計上予 定)。

 郡市長は、補助対象事業費の増額を国に求めて来ましたが、「要望は認められていな いが、負担は覚悟した上で決断した」と語っています。社民党市議団としても毎年の予算要望の中で求めてきた経緯もあり、その決断は大いに評価するもので す。

 なお、導入方式について、都市ガス供給区域はガス方式で、その他は電気方式でな ど、学校の施設に応じた取り組みなどが求められていくことになります。

 

市と企業による基金で奨学金返還支援へ

 若者、とくに大学などを卒業して就職する人の首都圏流出を抑え、地元企業への定着を図るために、仙台市は独自の奨学金返還支援制度を創設することを決めました。

  市内に本社や事業所を置く企業に就職した若者への奨学金返還を支援する制度で、市と市内の企業が半分ずつ負担して基金を創設して対応するもので、入社後3 年間で1人当たり最大54万円を支給するというものです。日本学生支援機構と自治体の貸与型奨学金の利用者で、基金に寄付した企業に就職した人が支援の対 象となります。

 支援金の根拠としたのは、日本学生支 援機構利用者の返還金の平均が月15,000円で年間18万円であることを考慮したものです。市は3年間で計210人(毎年70人)の支援を想定してお り、基金の規模は1億1,340万円となる見込みです。19年1月から基金への寄付企業を募り、20年度から就職する学生を対象に、10月から学生の支援 申請受付が始まり、支給開始は21年5月からということになります。

  これは、郡市長が公約に掲げた市独自の奨学金制度創設につながるものと評価できるものです。しかし、対象者が貸与型奨学金利用者に限定されており、銀行等 の学資資金(仙台市は高校生に対する利子補給の支援制度)対象者など、奨学金やローン返還で苦しむ全ての学生支援という点や給付型奨学金制度の拡充など課 題が残されていることも事実です。



相沢和紀議員が代表質疑、

石川けんじ議員・小山勇朗議員が一般質問

学校のエアコン設置の課題などを質す

-相沢議員

 相沢議員は12月13日に社民党市議団を代表して質疑を行いました。

 まず、学校におけるエ アコン設置には多額の費用がかかることから、既存の暖房設備に代えての活用と、基本料金を含めた運転費用等の縮減を求めたことに対して、市当局は「既存の 暖房機器は使用しない方向で進める。また、運転費用の削減も大きな課題であるため、適切な温度管理の徹底や使用方法の工夫など、様々な方策について検討し ていく」と答弁しました。

  また、全国的にバス運転手の確保が困難となっている中で、市民の足が確保できない状況にならないよう、職員確保をどのように対応していくのかを質したとこ ろ、交通事業管理者は「これまでも採用方法に工夫を凝らしてきた。委託事業者も職員の定着や確保に力を入れている。今後も身近な交通手段としての役割を安 定的に担えるよう取り組む」と応えました。

  東部ほ場整備事業の完了に伴い、市街地内の農業用水路はその機能を失うことから、当該水路を雨水対策に継続して活用することを求めたのに対しては、「市街 地の農業用水路は、従来より雨水排水の機能を有しており、適切な活用が図られるよう、雨水排水路として移管することについて調整していく」と前向きな姿勢 を示しました。

 その他、客引き行為等の禁止に関する条例に実効性を持たせる具体策、東部復興道路(県道塩釜亘理線)のかさ上げ道路工事費の契約変更の問題点などを取り上げました。


化学物質過敏症(CS)患者への配慮と市民理解の促進を
-石川けんじ議員

  石川けんじ議員は、14日の一般質問で、化学物質過敏症患者の声を反映し、患者が安心して利用できるよう市民利用施設での害虫駆除剤の定期散布をやめる方 針を明らかにしました。加えて、市民の理解を促進するため、患者支援に取り組み市民団体との意見交換などを通じ、情報発信を強化すると約束しました。

 また、10月に制定した『仙台市自転車の安全利用に関する条例』で義務化した自転車損害賠償保険への加入とヘルメット着用の促進策について質しました。

 これに対し市は、「児童生徒の保護者や自転車の購入者への情報提供などのほか、保険会社との連携を図る」ことで、保険加入を促進する考えを示しました。

 ヘルメット着用では、他都市における高校生等に対する購入費補助や自転車通勤手当を導入した企業の取り組みなど検討するとの答弁にとどまりました。

 加えて、自転車安全教育について石川市議が積極的に提言し、就学前の子どもの技術習得等を目的としたデンマーク式自転車教育や自動車教習所を利用した教室の開催などについても、充実を図っていくと約束しました。


幼児教育・保育の無償化と問題点について
―小山勇朗議員

 小山勇朗議員は、去る、12/17の一般質問で、幼保無償化による都道府県や市町村の公立施設の全額負担問題や認可外施設、私立施設、病児保育なども負担しなければならないことについて質しました。

 2019 年分については、国が全額負担することになり、地方消費税や地方交付金で補うことになり、それ以降の年度負担については、明確にならないままです。また、 保育所の給食費についても認定によって違いが出てくることで、負担の公平感が失われることも指摘しました。更には、幼保無償化によって入所・入園を希望す る園児が増加することを考えた待機児童対策、公立保育所の増、保育の質の向上、保育士の待遇改善についても取り上げ、質しました。

 これに対して当局は、「保育基盤や保育人材の確保等、ハード・ソフト両面の施策を総合的に推進する」などと答弁しました。

  主要農作物(種子法)の廃止に伴う問題について、コメ、麦、大豆の種子が民間に委ねることになれば日本の食の問題として大きな問題となる事を指摘しまし た。そして将来的に、多国籍企業に支配されるとなれば、アメリカのように遺伝子組み換えの農産物になってしまうことから、食糧安全保障の前提となる種子が 国内で確保できる体制を作るべきであり、都道府県に条例制定の動きが多くなっている中、市長として県や国に対して働きかけを行うよう求めました。

  さらに、安倍政権が農業者の声を無視して突き進んでいる、貿易の自由化拡大については、関税が下がれば安い製品が入ってくるという単純な問題ではない事を 指摘するとともに、農業経営を圧迫するばかりか、担い手も無くなり、日本の食料自給率も大きく低下すること、日本の食料が他国に委ねるとなれば命の問題に 発展することを取り上げ、市の考えを質しました。