令和2年第2回定例市議会報告


緊急経済対策等に追加補正予算

 令和2年第2回定例市議会は、6月9日開会、25日閉会の日程で開かれ、計21件の議案審査を行いました。

 主な議案は、新型コロナウイルス感染症に対応した第2次一般会計補正予算案及び国の補正予算に対応した第3次補正予算案等でした。

 第2次補正予算は、5月28日に市が公表した「緊急経済対策・第3弾」に対応した経済対策に約13億9,000万円をはじめ計18億3,300万円を計上しましたが、七夕中止や敬老乗車証経費の節減など市の各種事務事業の見直しにより15億1,200万円を減額したため、補正額は3億2,100万円となりました。その中で、福祉関連では相談体制充実など生活困窮者自立支援事業費、路上生活者支援事業費の追加、子ども食堂を運営する団体に関連して宅配事業への支援、認可外保育所への登園自粛者の保育料の減免助成などが盛り込まれました。経済対策費では、商店街での消費を促進するプレミアム付商品券発行経費の助成に10億円余、地域産業支援金事業費、観光客誘致宣伝事業費、コンベンション誘致事業費の追加などが計上されました。


議員報酬減額等で財源確保策

 なお、各種事業費の見直しの中には、議会費中の各種委員会視察の自粛による減額、議員の政務活動費の7~3月分の半額減額(月175,000円)が含まれた他、議員提案による報酬の7~3月分の月3万円減額(議長10万円・副議長7万円)も合わせ、合計1億2,000万円超の財源確保策が図られました。

 その他の議案では、市長(10%)、副市長(7%)、事業管理者(5%) の給与削減のための条例改正案、宮沢橋の橋梁改良のための工事請負契約費、資産等公開審査会委員の委嘱の件なども上程されました。


ひとり親世帯へ特別給付金支給

 6月15日に追加提案となった一般会計の第3次補正予算案では、ひとり親世帯へ特別給付金を支給するための経費が11億2,800万円、国の持続化給付金の要件緩和を踏まえて市内の減収事業者等に20万円を給付する地域産業支援金の経費5億3,000万円の追加が計上されました。その他、市内22ヶ所の国際センター、メディアテーク、青年文化センター、博物館、体育館などの文化・スポーツ施設等に発熱状況を確認するサーマルカメラを導入する経費、衛生研究所でPCR検査を現行1日80件から240件に増加するための検査機器の購入費、妊産婦のPCR検査に要する経費、幼児検診のうち2歳6ヶ月と3歳児の歯科検診を集団検診から個別検診で対応するための経費などが計上され、補正総額は30億8,619万円となりました。


つじ隆一議員が代表質疑、
  いのまた由美議員・ひぐちのりこ議員が一般質問


コロナ禍の支援策、医療提供体制等を質す-つじ議員

 社民党市議団を代表して、6月17日につじ議員が質疑を行いました。

 まず、緊急事態宣言の根拠となった新型コロナウイルス感染症に関する特別措置法について、権限及び財政等が主に国と都道府県を規定していて、東京都を除けば感染者が37~8%に上る20の政令指定都市に権限等が付与されていない問題で、国に意見を言うべきことを取り上げました。これに対して郡市長は「より主体的かつ迅速に関与できる仕組みが必要」とした上で、「指定都市市長会で議論し、国に要望していく」旨の答弁を行いました。

 コロナ禍で大きな影響を受ける生活困窮者への今後の対策と、失業者や就職内定取消となった方を市が直接雇用すべきではないかと質したのに対し、「生活困窮者には従来の就労支援等に加え、今回の補正予算でも自立相談支援体制強化を図っており、引き続ききめ細かな支援の充実に取り組む。雇用については、会計年度任用職員募集の際には失業者等も含めて周知しており、市のホームページの新型コロナ特設ページでも広く募集している」と答えました。

 また、予防・公衆衛生機能が後退してきた保健所について、新型コロナに対応するためどのように機能及び体制を強化していくのかと質したのに対しては、「感染拡大期において各区を含む保健所は繁忙を極めたため、第2波に備えた体制強化は重要で、今般の対応を検証した上で、人員の補強、応援体制の確立、業務の合理化などを様々な角度から検討し、必要な体制を強化していく」などと答えました。

 その他、観光客誘致宣伝費の委託及び地域産業支援金事業費の明確化、介護・福祉職場における慰労金支給問題、保育所及び児童福祉施設への支援策、市立病院における感染症病床・ICU病床の確保と経営への支援策、学校の長期休業に対する学習不足に対応するための学習指導要領見直しを国に求めること、GIGAスクール構想における支援員のあり方、家庭への支援策、教職員の負担軽減策と手当拡充、などを取り上げました。


特別定額給付金支給問題、原子力災害発生時の避難計画の実効性などを質す-いのまた議員

 いのまた議員は6月18日の本会議で一般質問を行いました。

 まず、特別定額給付金を世帯主へ給付することによって発生する問題と対応する取組について質し、「親族からの暴力等を理由に避難している旨の申出を6月12日までに合計139件受け付けており、住民票上の世帯主と生計を別にしている方が給付金の申請・受給権者となるために必要な手続きを丁寧に広報している」との答弁がありました。関連して事務委託契約の実態についての質問には、「委託業務の一部を再委託する旨の申請は提出されておらず、全ての業務が当該事業者の責任下に直接実行されていることを確認している」と答えました。

 次に、学校教育問題で、不登校児童生徒の学習環境づくりの一つとしてICT活用の検討を質したところ、「学校が出席の取扱いを判断する目安のガイドラインの作成に取り組んでいる」と答えました。また、夏休みが短縮されることによって熱中症対策が必須であることから、単独調理校の調理室へのエアコンの配備を求めたところ、「スポットクーラーや冷却ベストの導入により早急に対応する」との答弁がありました。

 また、行政におけるオンライン会議システムの活用について取り上げ、「有用性を認識しており、機材の準備、セキュリティの確保策、システムの使用方法等のルール化、早期活用に向けの検討を進める」と答えたほか、「子育て支援をしている民間団体の取り組みに協力をするなどオンラインの活用について検討を進める」という答弁がありました。

 さらに、女川原発災害時の避難計画問題を取り上げ、石巻市と東松島市から避難者4万人以上を受け入れる計画で、避難の際に使用される自家用車台数や避難にかかる時間等の不明点が多々あり、実効性を確認すべきことを求めました。これに対して「駐車場台数が不足するようであれば、避難元自治体が対応するもの」とし、「訓練の実施は広域避難計画の実効性を高めるうえで大変重要なものであると認識し、今後も県主催の原子力防災訓練等を通じ、石巻市や東松島市との連携を図る、これまで自家用車を想定した訓練はしていないので、意見交換をして、実施に向けてまいりたい」との答弁でした。また、「広域避難計画は、宮城県が示すガイドラインに基づいて避難元自治体が策定しており、県より示された『阻害要因調査報告書』の結果や、今般のコロナ禍の状況等を踏まえ、今後、県によるガイドラインの改正、その後、避難元自治体による広域避難計画の修正が適切になされるものと考えている、すべてがきれいに整合性のとれる計画を作るのはまだ時間がかかると思うが、住民の安全安心を確保するためには絶対そういった取り組みはしなければならないので、適切に行われるであろうと考えている」と答えました。


NPO等市民団体支援、パートナーシップ宣誓制度等を質す-ひぐち議員

 ひぐちのりこ議員は6月19日に一般質問に立ちました。

 まず、本市における「文化・芸術」の位置づけおよび施策が目指すものについて質し「芸術文化を都市づくりに役立てる、誰もが芸術文化に親しみ、楽しめる環境をつくるという2つの視点が重要であり、都市の魅力を創出し、人やまちを活性化させることを目指し取り組んできた」と答えました。その上で、新型コロナによる文化芸術関係者への影響とその支援策について質し、「国や人件費や機材購入費も含める市独自の事業支援制度を有効に活用し、文化芸術活動の継続を支えていきたい」と答弁しました。

次に、市民協働のまちづくりについて、本市でのNPOなど市民活動への見解と、位置づけおよび経済効果について質したのに対して、「機動力と豊かな発想力をもって展開される市民活動は、本市にとって、地域の課題解決や新しいサービスをもたらす、大きな力になっている。地域社会の発展やにぎわいの創出に加え、地域に経済効果をもたらす事業者の一つであると認識している」と答えました。

 市民活動団体に対し、支援は急務であり、使える支援策の更なる広報や具体的な申請や活用方法についての周知も必要であり、支援策の広報においては対象者の細分化・明確化が必要であること求めたのに対して、「日々変化する団体の状況について情報収集を行い、適切な支援に結びつけていきたい。地域産業支援金などは、NPO法人も対象とするなど、事業の趣旨に応じて、その対象を設定している。本市の経済施策が、NPO法人を含む、対象の皆様に十分伝わるよう、その工夫に努めていきたい。また本市の委託事業等が中止または延期になった際の対応については、合理的な範囲内で本市が負担すべきものと考えている」という答弁がありました。さらに、市民団体と行政の対等なパートナーシップのさらなる構築や専門家の知見を活かすこと、認定・特例認定NPO法人取得などの啓発支援も質しました。

 また、多様なまちづくりの視点から、パートナーシップ宣誓制度の導入を求め、「男女共同参画推進審議会における、次期「男女共同参画せんだいプラン」の議論の中で、検討を深めていきたい」と答えました。





  議会活動報告      

ホームページへ戻る

  詳細は市議会HPへ