これからの方向性


2020年6月25日
社民党仙台市議団

■市民活動団体の「総収入の内訳構成比」は、「事業収入49.1%、補助金・助成金17.2%、会費16.4%、寄付金10.4%、協賛金2.4%、その他4.5%」であった。「新型コロナウイルス感染症の影響度」に関しては、「活動内容」では93.2%、「団体の運営」では91.5%、「収入等」では83.0%が影響ありと回答。「家賃・税金・リース料などの支払不能(23.1%)」や「職員給与の支払不能(11.5%)」に陥っている団体もあり、活動の継続性や安定性に支障をきたしている状況が明らかになった。
資金源が限られている市民活動団体が自立して継続的・安定的に活動できる財政的支援のあり方を検討すべきではないかと考える。


独立行政法人経済産業研究所が2002年6月に発表した『産業関連表を用いたNPOの経済分析』によると、認証NPO法人および市民団体等NPOを対象に推計した国民総生産額は6,941億円(2000年ベース)で、他産業への生産誘発効果を合わせると1兆1,863億円であった。

それから20年、いまやNPO法人等の市民活動団体は経済社会活動の担い手として欠かせない存在である。しかし、本市においてNPO認証や市民活動団体等による市民協働に関する事業等は「市民局」、商業や工業・農林水産業の振興に関する事業は「経済局」の所管である。この間、経済局地域産業支援課が作成した「新型コロナウイルス感染症に関連する事業者向け支援メニュー」には、NPO法人等の市民活動団体について、適用できるものについてのさらなる広報が必要である。“非営利”とはいえ、NPO法人等の市民活動団体は、商業等と同様に経済効果をもたらしているのである。今後は、経済局と市民局が共にNPO法人等の市民活動団体を経済社会活動の担い手として評価・認識し、連携をより緊密にして財政も含め、支援にあたるべきである。

新たな公益の担い手、市民の社会参画の場として必要不可欠な市民活動団体であるが、その財政基盤の強化は課題の一つである。総収入に占める寄付金と協賛金の割合が12.8%と低いことから、その一因は「寄付文化の未成熟」と「寄付システムの未整備」にあると考えられる。現在、企業には社会を支え、社会と共に歩む「良き企業市民」としての役割を果たしていくことが求められている。その結果、地域社会への貢献として市民活動団体と連携・協働する傾向が急速に拡大している。本市としては経済局と市民局が連携・協働して「企業等と市民活動団体とのパートナーシップの拡大」に努めるべきである。

その施策の一つとして、市民や企業の寄付金・協賛金によりNPO法人等の市民活動団体を支援していく文化・土壌を醸成するため、市民活動団体の自主的・自発的社会貢献活動に対する支援を行い、その活動を促進するための基金を創設し、市民活動の持続的な発展を図る方策として「(仮称)市民活動支援基金」などの仕組みづくりの検討を求める。

社会課題の解決策を、様々な主体が創出できるよう、経済局が担ってきた起業や事業継続支援などのこれまでの取り組みと、地域課題に向き合っている市民局のノウハウをはじめ、まちづくり政策局や本市全体の各組織とさらに連携させることが肝心である。

NPO法人等の市民活動団体の意義・役割・必要性を広く市民・企業に周知・啓発し、本市がこれまで培ってきた「市民協働の精神」を「仙台市民の文化」として根付かせることである。



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