社民党宮城

県 議 団

ニ ュ ー ス

19/10月号

議会報告



仙台市青葉区本町3-8-1

宮城県議会社民党県議団控室


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【9月定例県議会報告】

本会議で県営水道等運営権売却問題が議論に


9月定例県議会は9月3日から10月4日までの32日間開かれました。今議会には110億6千万円の補正予算、主要農作物種子条例制定をはじめとする条例議案、大震災関連の復旧・復興工事請負契約議案などが提案されました。

 補正予算では大震災関連での貞山運河等がれき撤去工事や東北6県及び仙台市が連携したプローモーション実施等による外国人観光客の誘致促進などが計上されました。復旧・復興予算の累計は6兆2千4百億円になっています。

 条例議案では主要農作物種子条例が提案されました。国レベルでは種子法が一昨年2月に国会で廃止 が議決され、昨年4月に施行されました。種子法は米、大豆、麦などの優良な種子を都道府県が供給すると定められていましたが、TPP関連で外国資本などの 競争が阻害されるとして廃止になったと指摘されています。種子提供の安定性に不安を抱く農家の声を受けて県条例で県の役割を規定するところが現れ、宮城県 でも今議会に同趣旨の条例が提案されました。

 本会議では代表質問、一般質問が行われ19人が登壇しました。代表質問に立った3人はそれぞれの 立場から県営水道等の運営権を20年にわたって売却するみやぎ型管理運営方式を取り上げました。4日間行われた一般質問でも取り上げられ、社民党県議団の 岸田県議も広域連携とみやぎ型を取り上げました。その他に農業問題、子育て支援、防災機能強化など多岐にわたる課題が取り上げられました。

 今議会では2018年度決算の認定議案が提出され、全議員による総括質疑と6つに分かれての分科会で審査が行われ、認定されました。

 社民党県議団は一般質問と決算総括質疑に岸田清実、予算総括質疑と次年度予算に関する予算調製方針質疑に熊谷義彦が立ちました。

 意見書は会派間協議によって「新たな過疎対策法の制定に関する意見書」「高齢者の安全運転支援と移動手段の確保を求める意見書」「森林環境譲与税の譲与基準の見直しに関する意見書」の3本が合意され、本会議で採択されました。



岸田清実 本会議一般質問 9/18


    1.水道の諸課題について

(1)       水道事業全体の課題

  人口減少、節水型社会の進展等によって家庭まで水を届ける市町村の水道事業や市町村に水を供給する県の水道用水供給事業は将来へ大きな困難を抱えていま す。今後管路の更新を促進しなければ配水網が維持できませんし、浄水場の更新などを含めてその財源となる水道料金の高騰が想定されます。厳しい財政事情に より人員削減が進められてきましたが、その結果職員の技術継承が大きな課題です。昨年秋の臨時国会で水道法が改正され、市町村の広域連携へ県の役割が規定 されるとともに運営権を民間資本に売却するコンセッション方式が可能となりました。



(2)       市町村の広域連携の課題

 改正水道法で広域連携へ県の役割が規定され、宮城県も今年1月 に県内市町村をメンバーとした水道事業広域連携検討会を発足、今年度にシミュレーションを作成する予定です。その内容に関して、水道料金の将来見通しと広 域連携の効果を示すこと、県の水道用水供給事業と市町村の末端給水事業を統合する垂直統合は現実的ではないこと、広域連携の柱となる大規模水道事業体のイ ンセンティブを考える必要性などを指摘し、所見を求めました。


(3)       みやぎ型管理運営方式

 宮城県は県営の水道、工業用水道、下水道を一体化して運営権を20年 間特定目的会社に売却する計画を進めています。しかしまだまだ県民の中での理解が深まっているとは言いがたいこと、シンポジウムで次回までに明らかにする と約束した内容が次のシンポジウムを経た現在でも説明されていないこと、先行する浜松市と事業者との協定では守秘義務によって住民への情報公開が不十分に なっていることなどを指摘し、答弁を求めました。



2.原子力災害時

広域避難計画について

  女川原発2号機の再稼動の手続きが進む一方で、周辺住民の安全を確保する広域避難計画は実効性が確保されていません。

   宮城県は今年度に計画の実効性の柱となる避難時間シミュレーションを実施することにしていますが、東日本大震災を勘案しても複合災害を前提とすべきと指 摘しました。また、避難者の放射能付着検査は必須ですが、その検査場所の設定が不十分であり、スムーズな避難行動に支障をきたす可能性が大きいこと、要配 慮者の避難に使用するバスのドライバーへの情報伝達に課題があることなどを指摘し答弁を求めました。



熊谷義彦 予算特別委員会総括質疑 9/20


看護師確保対策就学資金貸付条例等について

 特定4病院(仙南二、大崎、栗原)に将来勤務する看護学生に対する就学貸付ですが、私からは以下の質疑をしました。

①他団体との併給可能な例を示すこと、契約違反の場合についても説明をはたすこと。

②この貸付事業月額5万円の10人程度の施策は何年計画で4病院の看護師不足が解消されるのか。

③特定4病院勤務が条件とすることは、貸付受給者も一定の地域枠を設けるのか。

④看護師不足は前々から指摘され、宮城大学看護学部設立当初は「いずれ地方の看護師不足も解消される」としてきたが、現実はそうならなかった。県施策の対応が不充分であったことの証明が、今回の施策に繋がっている。

⑤宮城大学看護学部に特定4病院地域からの入学生枠をつくるべきである。

⑥宮城大学看護学部、在学生に対し、特定4病院勤務を条件に入学金、授業料の免除をすべきである。

⑦栗原市等が県要請としてきた、市内高校への衛生看護学科設置も、何の返事もない。余りにも対応が悪すぎる。

⑧地方の看護師不足対応が前提であり、その一環としての就学資金貸付が本筋である。発想が逆転している。

 以上を質し、多くが検討課題であることが話されました。看護師不足は地方にとって大変重要な施策の1つです。医師も、看護師もいないでは病院が成り立ちません。


意見書

高齢者の安全運転支援と移動手段の確保を求める意見書


平成三十一年四月十九日に東京都豊島区東池袋で当時八十七歳の高齢者が運転する車が暴走し、母子二人が亡くなる事故が発生した。この事故が発生した後も、高齢運転者による事故が相次いで発生している。

近年、交通事故の発生件数は減少傾向にあるが、七十五歳以上の高齢運転者の死亡事故の割合は高まっている。その死亡事故の要因として、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどの操作不適によるものも目立つ。

警察庁は、昨年末時点で約五百六十三万人いる七十五歳以上の運転免許保有者が、令和四年には百万人ふえて約六百六十三万人に膨らむと推計している。

こうした状況を踏まえ、国は平成二十九年三月十二日に施行された改正道路交通法で、七十五歳以上の運転免許保有者は、違反行為時や免許更新時に認知機能検査を受けることを義務付けたが、今や高齢運転者の安全対策及び安全運転支援の取り組みは待ったなしの課題である。

また、過疎地域を中心に、生活の足として車が欠かせない高齢者も多い中、自主的に運転免許を返納した場合など、地域における高齢者の移動手段の確保も重要な取り組みである。

よって、国においては、地方自治体や民間事業者とも連携しながら、総合的な事故防止策としての、高齢運転者の安全運転支援と地域における移動手段の確保を進めるため、早急に次の措置を講ずるよう強く要望する。

 

一 自動ブレーキ機能やペダル踏み間違い時の急加速を防ぐ機能など、運転手の安全運転を支援する装置を搭載した「安全運転サポート車」(サポカーS)や「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の普及を一層加速させるとともに、高齢者を対象とした購入支援策を検討すること。

二 高齢運転者による交通事故を減らすため、「安全運転サポート車」(サポカーS)に限定した運転免許の導入を検討すること。

三  運転免許を自主返納した高齢者が日々の買い物や通院などの移動手段に困らないよう、コミュニティーバスやデマンド(予約)型乗合タクシーの導入など、 「地域公共交通ネットワーク」のさらなる充実に向けた財政支援を拡充するとともに、公共交通が撤退した過疎地域等に対し、自動運転導入に向けた環境整備を 早急に進めること。また、地方自治体などが行う、運転免許を自主返納した高齢者が利用するタクシーや公共交通機関の利用料金の割引制度などを支援するこ と。



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