社民党宮城

県 議 団

ニ ュ ー ス

19/1月号

議会報告



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宮城県議会社民党県議団控室


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11月定例県議会報告


今年四月に若林警察署新設

 11月定例県議会は11月26日召集され、12月17日までの22日間開かれました。今回の県議会には260億円の補正予算、農林水産部の農政部と水産林政部への分割などの条例議案、県民会館の指定管理者(管理委託)を決定する条例外議案などが提案されました。

 補正予算には東仙台交番での警察官殺傷事件を受け、セキュリティ強化のため防犯カメラや小型盾の配備経費、北海道胆振東部地震被災地への応援職員派遣費などが計上されました。

 条例議案には若林警察署新設にともなう管轄区域を定める条例などの改正が行われました。現在は仙 台南警察署が太白区、若林区を管轄し、人口・面積とも県内屈指の大きさとなっています。若林警察署は若林区荒井に来年4月開設され、若林区を所管します。 それにともなって仙台南警察署は太白区のみを所管することになり、規模が縮小されます。

 本会議での一般質問には16人が登壇し、観光戦略、大震災からの復興、河川管理、教育問題などが 取り上げられました。石巻市に設置されている慶長遣欧使節団乗船のサンファンバウチスタ号の復元船について今後のあり方を4人が取り上げました。東日本大 震災で大きな被害を受け、修復不可能なことから今後のあり方が問われていました。現在検討会で議論が行われていますが、積極的な提言が出されました。

社民党県議団は予算特別委員会総括質疑で岸田県議が質疑を行いました。県議会7会派中社民党を含めた4会派が上工下水一体官民連携構築費を取り上げ、県営水道事業などの施設運営権を20年間にわたって民間資本に売却する県の計画について議論が行われました。

 意見書は会派間協議で「災害対策の充実強化を求める意見書」など4件が合意され、本会議で採択されました。




予算特別委員会総括質疑(12/11)  岸田清実

 議員全員で構成する予算特別委員会の総括質疑が12月11日に行われ、社民党県議団を代表して質疑を行いました。

 今回取り上げたのは「上工下水一体官民連携構築費」で、県が進める県営水道などの運営権の民間へ の売却であるコンセッション方式の準備経費です。コンセッション方式を上水道に導入できるようにする水道法改正が臨時国会で審議されるころからマスコミで 活発に取り上げられました。番組の中で「宮城県によれば水道料金が10%下がる」と報道されたことを受け、事実確認を行いました。知事は「水道料金は上昇 するがコンセッション導入により抑制できるということと経費を10%程度削減できるということが混同されて報道」と述べました。

 次に企業局決算を取り上げ、県営水道の減価償却費が累計1216億円になっているのに、それに見 合う内部留保が確保されていない問題を指摘しました。企業局管理者は「減価償却費のペースと企業債の償還ペースが異なるため内部留保を使って返済せざるを 得ない」と答弁。借金返しのために将来の設備更新費用を使っていることを明らかにしました。

私は「内部留保という自前の資金がどの程 度確保できるかと設備更新費用を含む料金設定は連動するはず。その見通しはどうなっているか」と重ねて質問。企業局管理者は「今回提案の構築費による作業 で検討していく」と答えました。「現時点では将来見通しが分からないということだ」と私は指摘しました。更新のための独自財源の見通しおよびそれと連動す る料金見通しという基本的な前提条件もそろっていない中で県民が理解するのは困難です。

11月6日に県議会、市議会議長会、町村 議会議長会主催の県政セミナー講演した知事は、コンセッション方式の開設をする中で「県のコンセッションに市町村もぜひ入ってほしい」と述べました。私は このことを取り上げ、改正水道法が県に求める役割は市町村間の広域連携を強化することであり、基本的な前提条件が整っていない県のコンセッションに市町村 を誘導することではないと指摘しました。




環境農政委員会報告    熊谷義彦

今回の補正予算の関係では

(1)土地改良費として東日本大震災復興交付金による沿岸部(東松島、石巻)の農地整備事業に関わる予算として5億7千万円程の事業補正会計が計上されました。

又、(2)水産基盤整備費として、気仙沼・魚町地区の土地改良事業の負担金として9千150万円が計上されました。

(1)は、用水路を中心にした補正予算計上であり賛成しました。

(2)については、魚町地区防潮堤の施工ミスに伴う背後地のカサ上げ部分の気仙沼市が行う土地改良 事業への負担金として計上されたものです。未だ、県、設計業者、施工業者の過失割合が明示なされない中での提案であり議論が活発に交わされました。住民合 意をとりつけるために最善を尽くすこと、過失負担割合を早期に明示すること等の意見が出されましたが、予算としては賛成することになりました。


 別号議案では

(1)宮城県伊豆沼、内沼サンクチュアリアセンターの指定管理について

(2)宮城県県民会館の指定管理について

(3)宮城県慶長使師船ミュージアムの指定について

(4)宮城県民間非営利活動プラザ

(5)宮城県岩出山牧場の5件について予算、団体の選定経過が示されました。

それぞれが過去に於いて指定管理を受託してきた団体が継続して運営することとなりました。それぞれについて人件費の増額や他応募団体との比較検討結果等について質疑が交わされました。


 環境生活部の報告事項は、2件あり

(1)平成30年度原子力防災訓練について

(2)宮城県民会館需要調査結果について説明がありました。

(1)の原子力防災訓練については、危機的状況の中で避難することを想定することに伴 い多くの課題が示されました。例えば車両検査ポイントでの検査方法、人体汚染検査訓練手法、避難所での検査等について疑問が示されました。今回の訓練を教 訓にして、次回に改善することを強く求めました。

(2)の県民会館要調査に当たっては、仙台市予定の会館、県民会館の統合設置の可能性、新県民会館の基本的方向性の時期等について質疑が交わされました。


  農政部報告では、今年新たに開発生産されたイチゴ「にこにこベリー」について報告がなされました。「にこにこベリー」は「もういっこ」と「とちおとめ」の 交配により12年かけて新品種として発表された物です。品種の特徴として(ア)きれいな円錐形で鮮やかな赤色の果肉(イ)糖度・酸度のバランスが良く食味 が良い(ウ)11月から6月まで収穫可能で、収量も多い(エ)日持ちが良く輸送性に優れる等が示されています。

 今年の12月は、プレデビュー、来年秋以降の本格デビューとなる予定です。将来目標は50ha、3,250トンの収穫量を目標としています。海外での知的所有権確保を前提に、県開発種子の保存を計ることも重要です。

 本年度から農林水産部が機構改革に伴い、農政部、水産林業部の2部体制に変更し、機能充実を計る事も提案されました。



災害対策の充実強化を求める意見書

本県では、東日本大震災によ り甚大な被害が生じたのを初め、平成二十七年九月に発生した関東・東北豪雨の際には河川堤防が決壊したほか、蔵王山では火山性地震や火山性微動がたびたび 観測されており、本年一月には噴火警報が発表されるなど、さまざまな災害や住民の安心・安全を脅かす事態に見舞われてきた。

また、全国的にも地震、豪 雨、噴火などの大規模な災害が頻発している。平成二十六年九月には御嶽山が噴火したほか、本年だけでも、大阪府北部地震、北海道胆振東部地震が発生し、平 成三十年七月豪雨の際には土石流や崖崩れ等の土砂災害が一道二府二十八県で発生するなど、全国各地に大きな被害がもたらされている。

このように、大規模な災害はいつ起きてもおかしくない状況にあり、本県でも、こうした災害により発生するリスクの増大に的確に対応する必要がある。

さらに、災害に強い県土づくりを実現するためには、本県の公共土木・建設施設の適正な管理が必要であるが、当該施設の多くは、建設後三十年から五十年経過するなど、インフラの老朽化が加速しており、老朽化によるリスクの増大についても対応が求められている。

よって、国においては、本県における災害への対策をより一層強力に進めるため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

 

一 豪雨被害に対する迅速な再度災害防止、総合的な治水対策の実現、水害への防災力の強化を図るとともに、河川情報の収集・情報システムを整備する「情報基盤総合整備事業」に必要な財源を確保すること。

二 土砂災害に対する住民の警戒避難体制の整備を図るため、土砂災害警戒区域等の指定の加速化に必要な財政上の支援措置を講ずること。

三 噴火警報が発表される可能性がある蔵王山等の登山客らの安全を確保するため、山頂部における通信及び監視施設の充実化など、蔵王山等の監視に十分な体制を構築すること。

四 インフラの老朽化に対応し、長期的な視点に立った維持管理・長寿命化対策を計画的に実施していくため、社会資本整備交付金や防災安全交付金などの国庫補助制度を拡充すること。




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