社民党宮城

県 議 団

ニ ュ ー ス

18/10月号

議会報告



仙台市青葉区本町3-8-1

宮城県議会社民党県議団控室


電 話022-211-3516

FAX 022-722-5850

U R L www.sdp-miyagi.com 



9月定例県議会報告

教員の部活動手当削減などが提案される

 9 月定例県議会は9月18日から10月18日までの31日間開かれました。今議会には一般会計補正予算、国保特別会計補正予算、2017年度決算や介護医療 院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例などの条例議案、大震災関連の復旧工事請負契約議案等が提案されました。

 一般会計補正予算は52億8千万円で大震災関係では復興関連道路整備費、震災アーカ イブ構築費や在宅医療提供体制整備費が計上されています。その他に秋保町の拓桃医療療育センター跡地に建設予定の仙台南部地区特別支援学校整備に関して設 計の提案関係費が含まれ、基本設計・詳細設計の債務負担行為があわせて提案されています。

  条例議案では職員の特殊勤務手当てに関する条例改正が出され、教員の部活動手当ての削減が提案されました。これまでは4時間分3千6百円が支給されていま したが、平日2時間、休日3時間というガイドラインにあわせて手当を減額しようとするものです。機械的に3時間に減額することには懐疑的な意見が出され、 社民党県議団もその立場で質疑しましたが、最終的には賛成多数で可決されました。

  本会議での代表質問、一般質問は5日間行われ、19人が登壇しました。大震災からの復興の諸課題や観光振興・産業振興、貧困対策、各地域の課題などが取り 上げられました。社民党県議団からは岸田清実県議が一般質問に立ち、上工下水一体官民連携運営事業、女川原発に係る広域避難計画などを取り上げました。

  毎年9月定例県議会で前年度の決算審査が行われており、今回も2017年度決算が提案されました。決算特別委員会で総括質疑が行われ、社民党県議団から熊 谷義彦県議が総括質疑を行いました。その後常任委員会と同じメンバーの6分科会に別れて質疑が行われ、本会議において賛成多数で認定されました。

 意見書では社民党県議団から種子法の復活を求める意見書を会派間協議に付し、自民党から修正案が出されたのを受けて再修正。「種苗法と国会決議に基づいて地方交付税等による財政措置を確実に実施すること」等を国に求める意見書として採択されました。



■  岸田清実


■本会議一般質問  10/4

本会議最終日の10月4日に本会議で質問しました。

□上工下水一体官民連携事業について

 宮城県は県営の水道用水供給事業(市町村へ供給)、工業用水道、流域下水道の3事業を一体化して 浄水場などの施設運営権を民間資本に20年間売却する計画を進めています。人口減少・節水型社会の進展等による厳しい経営環境、管路・設備更新をめぐる莫 大な経費負担をその理由としています。

それに対して私は上下水道が重要なライフ ラインであるとともに、水道は選択の余地がないことなどから公営での一体化による経営の効率化を求めました。また運営権売却後は設備更新や管理に係る発注 が全て運営会社に任せられることから、機械や工事内容の選択などが適切に行われる保証があるのか質しました。命に係るライフラインが多くの課題を残したま ま運営権売却へ進むことは問題であることを指摘しました。

□女川原発に係る広域避難計画について

 女川原発2号機の再稼動に向けた審査が国の原子力規制委員会で進められていますが、住民の避難に関する計画は実効性が担保されない状態が続いています。私は本会議の質問で具体的な例を挙げながら県の取り組みを質しました。

 昨年3月までに女川原発から30kmに掛かる7市町が広域避難計画を策定しました。避難行動の際 に県は避難者の放射能検査ポイントの設定をしなければなりません。しかしそれがいまだに確定していませんし、候補の13箇所では24時間検査しても私の試 算で34日間必要になります。検査機械を2セットにしても17日間、3セットでも11日間と現実的に機能しない状態です。

□この他にも多くの問題点があり、現状では住民の安全は確保できていません。その中で再稼動だけが先行することは許されません。



■総務企画委員会 10/10-11

総 務企画委員会に職員の特殊勤務手当てに関する条例改正案が付託され、教員の部活動手当ての削減が提案されました。これまでは4時間分3,600円が支給さ れていましたが、部活動指導が教員の長時間労働のひとつの原因となっていることから、平日2時間、休日3時 間というガイドラインがスポーツ庁で作られ、宮城県も同様のガイドラインを策定しました。その内容にあわせて手当を減額しようとするものです。条例の所管 が総務部人事課であることから総務企画委員会での審議になりましたが、教育委員会は別委員会のため特別に教育長を委員会に招致することになりました。私は 総務企画委員会に所属しており、質疑を行いました。休養日の設定とあわせて1日の部活動の時間を短縮していく方向には賛成しましたが、現実には対外試合な どで3時間を越すケースが多くあることから、機械的に3時間に減額することの問題点を指摘しました。高橋仁教育長は「超過するケースについては他県の例を 把握しながら検討したい」と述べました。最終的に委員会、本会議で賛成多数によって可決されました。




■熊谷義彦


■決算特別委員会総括質疑 10/5

 29年度決算委員会においては

(1)船形コロニーの課題、即ち①新居住棟定員が入所希望者の充足が叶う設計になっているのか②最新のリハビリ機能が必要だがどのようになっているのか③人材確保が難しくなっているが、専門的職員の確保・育成はどのようになっているのか。

(2)障がい者雇用について

①県の障がい者雇用の実態は極めて残念であり、信用が裏切られた②県として法定雇用の窓口が統一さ れていない。障がい者雇用の窓口を一本化し、改善をすべきだ③県外郭団体の法定雇用も残念であり、実態を公表し、改善計画を明示すべきである④市町村の法 定雇用についても精査すべきである⑤県等での精神障がい者雇用の状況はどうか⑥監査委員会として、障がい者法定雇用に疑問に感じなかったのか。

 以上、質疑書を提出しましたが、時間制限上、障がい者法定雇用に絞って質問をしました。

 県当局の答弁を聞くにつけ、これまでの多くの方々が質疑し、「知事部局は達成、教育委員会が未達 成」との答弁を信用してきた結果、裏切られたとの強い思いがあります。また、外郭団体の障がい者ゼロ雇用の状況を見ると今まで何をやってきたのかとの思い に駆られます。(全ての外郭団体が対象ではありません)



■環境生活農林水産委員会 10/10-11

今回補正予算の農政部・環生部関係は、

1,循環型社会形式への食品残渣等を使用してのメタンガス発生によるエネルギー確保策

1,県農業試験場に於ける国委託研究(カドミ吸収抑制稲)の補正等

1,畜産試験場研究費の増額、水産研究費増額

1,鳥獣被害対策事業

1,農地整備事業等であり、賛成できるものでした。

 カドミウム抑制稲の改良には、5年程の研究期間が必要とされますし、コーデックス委員会の世界基準では、0.4PPMが上限と設定され、野菜も含めていずれかの期間に発動されます。早急に研究開発を進めていかなければなりません。

 また、鳥獣被害対策は極めて緊急の課題です。宮城県内、多くの地区でイノシシ、クマの増加に伴っての被害が出てきています。特にイノシシ被害が多発しており、捕獲等処分、電気柵の設置等が強く求められていました。

 食品残渣等を使ってのメタン発酵は有効エネルギーとして活用が期待されています。

 環境部・農政部の補正予算には賛成しました。




主要農作物の種子の安定供給・品質確保に関する意見書

 

稲・麦・大豆の優良な種子の生産・普及を各都道府県に義務づける主要農作物種子法(以下、「種子法」という。)は昭和二十七年の制定以来、都道府県が開発した優秀な種を「奨励品種」と定め生産者に提供することで、国民への安定的な食料の供給に大きな役割を果たしてきた。

しかしながら、種子法の廃止により、特定の事業者による種子の独占や、種子の価格の高騰、地方への財政支援の打ち切りなどが生じるおそれが指摘されていることから、都道府県による稲や麦、大豆の種子の研究開発をさらに強化し、種子の安定供給を図っていく必要がある。

よって、国においては、種子の安定供給・品質確保を図るため、積極的に次の措置を講ずるよう強く要望する。

 

一 種苗の生産を業とする者や種苗業者等が、種子の品質の低下を防ぐために、必要な措置を講ずること。

二 種苗法と国会の附帯決議に基づき、地方交付税等による財政措置を確実に実施すること。

三 都道府県や民間との連携強化を図り、稲や麦、大豆の種子開発・供給と、日本の農業の国際競争力を高めるとともに、種子の国外流出や特定の事業者への独占を防ぐために必要な措置を講ずること。

 


PDF版