2019年09月11日
第4次安倍第2次改造内閣の発足について(談話)
社会民主党幹事長 吉川はじめ
1.安倍首相は本日、自民党役員人事と内閣改造を行った。「安定」の名の下に、暴走政治を進めてきた麻生太郎副総理や菅義偉官房長官、二階俊博幹事長ら政権の骨格は変わらず、全く代わり映えがしない。「挑戦」として13人を初入閣させたが、「友だち重視」と「在庫一掃」の起用である。党と政府のポストのたらい回しも顕著であり、人材の払底感が極まっている。新鮮味もなく全く期待もできない。首相が悲願とする改憲に向けたタカ派・極右色が一層強まっているが、改造ではなく退陣こそ求められている。
2.公文書改ざんの責任を取らず、失言や暴言を繰り返す麻生副総理兼財務相の続投、日米貿易交渉で米国に有利になるよう押しきられた茂木敏充氏の外相への「栄転」、嫌韓パフォーマンスで日韓関係を戦後最悪レベルにまでこじれさせた河野太郎外相の防衛相への起用は、全く理解できない。安倍政権に果たして日韓関係を改善しようという意思があるのか疑わせる。日米協議や韓国をはじめとする東アジア外交が憂慮される。
3.小泉進次カ氏が環境相に抜擢された。新自由主義的農林水産行政や社会保障の負担増・給付カットを進めるなど、暴走政治に荷担してきたのが小泉氏である。政権に物言う姿勢が今後どうなるのか、特に「世界のすう勢を見ても、原発をどうやったら残せるのかではなく、どうやったらなくせるのかを考える時代だ」と述べていたが、原発問題についての対応をしっかり見極めたい。
4.初入閣の萩生田光一文部科学相、衛藤晟一沖縄北方兼少子化担当相、西村康稔経済再生担当相、再登板した高市早苗総務相、加藤勝信厚生労働相のように、首相のお友達や側近、首相に近い議員、タカ派・極右議員の起用が目立つ。その他資質に疑問を持たざるを得ない新閣僚が多数おり、臨時国会で資質をきちんとただしていく。
5.消費税増税と軽減税率やポイント還元を巡る混乱、一連の台風被害対策、日米貿易交渉、日韓・日ロ外交、ホルムズ海峡等を巡る「有志連合」参加問題、年金財政検証結果、全世代型社会保障制度改革はじめ論議すべき課題は山積している。安倍政権は臨時国会を早期に召集すべきである。社民党は、立憲野党や市民連合をはじめとする皆さんとの連携・共闘をさらに進め、アベ政治の暴走ストップと改憲阻止に全力をあげる。
以上